「アイ・ミーブ」の広告塔 益子修の凄み

執筆者:安西巧 2009年12月号
タグ: 中国 台湾 ロシア

二度にわたるリコールなどで経営危機に瀕した三菱自動車の再建に邁進。その足どりは、クライスラーをいったんは立て直したアイアコッカに似るが……。「そこの車。ここに入っちゃ駄目ですよ」 三菱自動車社長、益子修(六〇)はつい最近まで、取引先やホテルに赴いた際に車寄せや駐車場で警備員から注意されることが何度かあった。 益子の社用車は同社が誇る「世界初」の量産型電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」。軽自動車サイズでおまけに赤と白の派手なボディカラーだ。従業員一万人を超える大企業のトップの車には見えない。運転手が小声で「社長です、社長です」と懸命に説明している姿を三菱系企業幹部や報道関係者など少なからぬ人が目撃している。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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