中東―危機の震源を読む
(61)
オバマの中東外交―その言葉の「力」と「限界」
ワシントン滞在の終盤に入ったが、所用により一時日本に戻った。ワシントンを発つ直前に、ウッドロー・ウィルソン・センターで研究成果の一部発表を行なった。十月はじめにワシントンで調査を始めたころは、「オバマ政権の中東政策」という研究課題を示すと、「評価するには時期尚早」という反応が多かった。しかし十二月半ばになって、近辺の大学・研究機関や政策シンクタンクで、オバマ政権の中東政策を検証する趣旨のシンポジウムや講演が次々に開催されるようになっている。 十二月一日にオバマ大統領がウエストポイント陸軍士官学校で講演し、アフガニスタンへの増派を含む新戦略を発表したことが大きな区切りとなり、中東政策や外交政策全体について、オバマ政権の初年度を評価する機運が高まっている。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン
