国境を越えた資源争奪戦は、今に始まったわけではない。極論すれば、古代のヤマト建国も、「誰が鉄を手にするのか」、その争いだったのだ。 弥生時代後期、鉄鉱石の産地・朝鮮半島南部には、鉄を求めて各地から人が集まり、その中に倭人が混じっていたという。またこの後、大量の鉄が日本列島に向けて輸出されるようになるのだが、当初鉄を独占していたのは、北部九州だった。 ところが、三世紀後半から四世紀にかけてヤマトが建国されると、鉄は一気に東に向かって流れ出す。瀬戸内海勢力が、北部九州を圧倒し、鉄の流通ルートを確保したのだろう。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン