富士通の「遠い夜明け」

執筆者:杜耕次 2004年6月号
エリア: 日本

好決算が喧伝されるが、目につくのは資産売却による特別利益、ゼネコンと見紛う官公需頼みの収益構造だ。 逆境の時ほどリーダーは真価を問われる。人間であればミスジャッジは避けられないが、誤算にいち早く気づき即座に軌道修正すれば大事には到らない。だが、状況を把握できず自らを省みることもなければ、その指導者を戴いた組織は迷走を始める。数年来の富士通はまさに後者の例に当てはまるのではないか。「選択と集中」が世界の趨勢だが、富士通は半導体からソフトウエア、パソコン、大型汎用機までのフルラインナップを擁する。「世界市場でIBMと闘える唯一の日本企業」と秋草直之会長(六五)をはじめ経営陣は自負しているが、それは確固たる戦略というよりも、証券アナリストが異口同音に指摘するように「リストラ周回遅れの置き土産」の印象が濃い。

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