新日本製鐵と住友金属工業が2012年10月に経営統合に踏み切ることを決めた。鉄鋼業界の国内トップと3位の事実上の合併は、10年前であれば国内の産業再編の大ニュースだっただろう。だが、統合発表のニュースが流れた2月3日の夕方、産業界、金融界には驚きの声も興奮もなかった。産業界、金融界で相次ぐ大型の経営統合、M&A(企業の合併・買収)でニュースが与える刺激の「閾値」が上がったわけではない。グローバル市場を見ていれば、今回の統合はあたり前であって、むしろここまで決断を先延ばししたことがニュースになりかねなかったからだ。

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