小泉純一郎政権が終わった2006年以降、日本政治は短命政権の連続に悩まされてきた。より深刻な問題は、多くの首相が奇妙な形で退陣していることである。ここで奇妙な、というのは、辞任時期の予測がごく直前まで難しかったことを指す。安倍晋三は参議院選挙での惨敗後いったんは続投の意思を示しながら、選挙後初の国会開会直後に突然辞任した。福田康夫は大連立を目指したものの挫折し、内閣改造を行なった1カ月後の夜に辞任を表明した。政権交代後も、鳩山由紀夫は社会民主党の連立離脱後、当日の朝刊にまで「続投に意欲」と書かれながら民主党両院議員総会で辞意を表明した。菅直人に至っては辞意表明後2カ月以上経って、ようやく辞任の決断をしたとされる。
従来も多くの首相は総選挙結果以外の理由で退陣してきた日本政治だが、進退の見通しがこれほどまでにつかなくなっているのはなぜだろうか。

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