もし、仕事をしているにもかかわらず、4年3カ月の間、1円の給与も支払われなかったらどうだろう。現在の日本で、あるいは普通の日本人が仕事や観光で訪れる外国で、そのような事態はまず有り得ない。そんなにも長い未払いが続く前に、誰もがその職場を去っているに違いない。その企業を相手に裁判を起こしている人もいるだろうし、場合によっては司直の手が入っているだろう。
だが、サハラ砂漠以南では、こういうウソのようなことが本当に起きる。2008年3月に訪れた中央アフリカ共和国がそうだった。米国の民間研究機関The Fund for Peace が毎年公表している「破綻国家ランキング」のワースト10常連国である。筆者はそこで反政府勢力と接触し、ゴリラなど野生生物の密猟の実態を取材した。

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