「いやいやあの人は能力もあるけど、なかなかの政治家ですぞ」と会話の中で使われる「政治家」という単語には「腹黒い」とか「計算高い」とか「表と裏の顔が違う」などというマイナスの意味が込められている。政治が大きく変わろうとしているときなのに、政治家のなり手がない。政治家のイメージが地に落ちたままなのだ。これまで以上に「尊敬されない職業」になってしまった。中選挙区制度時代なら、放っておいてもだれかが立候補し、自然に新たな政治家が誕生したり淘汰されたりしていったが、小選挙区制度が導入されてから、いずれの党も立候補者はだれでもいい、というわけにはいかなくなった。

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