五月十日、グルジアの首都トビリシを訪れたブッシュ米大統領の演説会場から手榴弾が発見された。モスクワの外交団の間では「ロシアの嫌がらせ」との見方が浮上している。 グルジアのサーカシビリ大統領は、ロシアが威信を懸けて五月九日に開催した対独戦勝六十周年記念式典をボイコット。親米派で、ブッシュ大統領には「旧ソ連圏の自由拡大に協力する」と約束した。 米・グルジアの結束強化は、旧ソ連圏に民主化ドミノを拡げかねない。手榴弾事件についても、グルジア国内には米国を憎む勢力が存在しないため、「ロシア情報機関がブッシュ大統領の訪問に冷や水を浴びせた」(消息筋)との憶測が強まる。

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