東芝の救世主「西田厚聰」スピードダウンの懸念

執筆者:安西巧 2005年10月号

スピードを武器に東芝のパソコン事業を立て直してきた「異色の男」は、社長となって全社の改革を実現することができるのか――。 学生時代は「IBMもソニーも、もちろん東芝も知らなかった」。大学院でフッサールの現象学について大論文を書き、今でもマルクス左派のドイツ人哲学者ユルゲン・ハーバーマス(七六)の著書を愛読する。学生結婚した妻の母国はイラン。新婚生活を送ったそのイランで照明機器を取り扱う東芝の合弁会社に入社したのは二十九歳の時だった――。 こんな風変わりな経歴の西田厚聰(六一)が六月二十四日、東芝社長に就任した。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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