いなり寿司の記憶

執筆者:六車由実 2014年1月3日
タグ: 日本
エリア: アジア

「すまいるほーむ」の風景

 静岡県沼津市にある民家を借りたデイサービス、すまいるほーむ。ここが私の仕事場である。すまいるほーむは定員10名の小規模デイサービスで、登録している20名のお年寄りたちが毎日かわるがわるやってきては、入浴や食事、レクリエーションなどのサービスを利用しながら1日をのんびりと過ごしている。年齢は55歳から102歳と幅広く、出身地も北は北海道から南は熊本と全国各地に広がり、もちろん職歴も経験も、また病歴も様々である。認知症の方もいるし、脳梗塞による後遺症で片麻痺になった方もいれば、大腿部の骨折や関節リュウマチにより歩行が困難な方もいる。介護保険の認定を受けた要介護度も要支援1の軽度の方から要介護5の重度の方まで、実に多様な人たちが集まっている場所である。

カテゴリ: 社会 政治 カルチャー
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執筆者プロフィール
六車由実(むぐるまゆみ) 1970年静岡県生まれ。民俗研究者。デイサービス「すまいるほーむ」管理者・生活相談員。社会福祉士。介護福祉士。2008年に東北芸術工科大学准教授を退職し、静岡県東部地区の特別養護老人ホームの介護職員に転職。2012年10月から現職。「介護民俗学」を提唱し実践する。著書に『神、人を喰う』(第25回サントリー学芸賞受賞)、『驚きの介護民俗学』(第20回旅の文化奨励賞受賞、第2回日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞)。
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