“経営燃料不足”のJALが翼を休める日

執筆者:安西巧 2006年4月号
タグ: アメリカ 日本

世間を呆れさせた泥仕合が収まっても、内情は変わらない。財務には何重もの乱気流が待つ。このままでは破綻への片道飛行に――。「ご指摘の通りです。バランスシートをどう改善するか、時間軸を持って考えなければならない」 あまりの歯切れの良さに、報道陣は一瞬呆気に取られた。 三月一日午後三時、東京・霞が関の国土交通省。日本航空(JAL)の社長交代発表会見が始まった。 冒頭の発言は、六月下旬に社長を辞任する新町敏行(六三)に代わる次期社長(現取締役)西松遙(五八)の口から飛び出したのだが、その前段の記者の質問はこうだった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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