ボコ・ハラム「少女大量拉致事件」が解決しない理由

執筆者:白戸圭一 2014年8月1日
エリア: アフリカ 北米

 今年5月14日の記事で、ナイジェリアの武装組織ボコ・ハラムについて書いた(「『ボコ・ハラム』はなぜ多数の女子生徒を拉致したのか」)。今年4月に同国北東部で200人以上の少女を拉致し、オバマ米政権が少女の救出のためにナイジェリア政府に支援を申し出たことで俄かに日本メディアの注目を浴びた、あのナイジェリアのイスラム武装組織である。

 その後、イラク情勢の急変、イスラエルのガザ侵攻、ウクライナでのマレーシア機撃墜といった大きな国際ニュースが相次ぎ、例によってアフリカ発のボコ・ハラムのニュースはメディアから消えていった。だが、当然ながら、ボコ・ハラムは今なお消滅してはいない。それどころか、拉致された200人以上の少女は、今も救出されていない。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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