就任二カ月で難題に直面した日立新社長の苦悩

執筆者:安西巧 2006年10月号
タグ: 日本

発想豊かに経営を立て直すつもりだったはずだ。だが、就任早々に見舞われた原発事故の処理以外にも「再生」への課題は山積し……。「一日ごとに四億円……」 この夏、日立製作所社長、古川一夫の脳裏には、おそらくこんな数字が去来していたことだろう。 六月十五日に起きた中部電力・浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)5号機のタービン破損・脱落事故。同型タービンを使用している北陸電力・志賀原子力発電所(石川県志賀町)2号機でも動翼に多数の破損やひび割れが見つかり、タービンの製造元である日立の設計・施工ミスとの見方が有力になっている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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