経営トップ「突如辞任」も出た電力各社の断末魔

執筆者:安西巧 2014年10月14日
エリア: アジア
 九電の事業者説明会はどの会場も満席だった             (C)時事
九電の事業者説明会はどの会場も満席だった             (C)時事

 太陽光や風力など再生可能エネルギーで発電した電力の新規受け入れを5つの大手電力会社が相次ぎ中断している問題で、各社が開く説明会では再生エネ事業者から怒号が飛んでいる。激昂するのも無理はない。騒動の口火を切った九州電力が新規受け入れ中断を発表したのは、実施前日の9月24日。2012年7月に施行された固定価格買い取り制度(FIT)を活用して億円単位の資金を発電事業に投じた企業の多くは中堅・中小クラスであり、売電中断は自社の死活問題になるからだ。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f