経済・貿易をはじめ日豪関係は良好。安全保障でも新たな関係構築が進み始めた。FTAにも踏み込み「真の補完関係」を築くチャンスだ。「小泉首相が職を辞されるのは本当に残念だ」 九月二十二日、退任を控えた小泉首相にとって最後の首脳会談となる電話会談で、オーストラリアのハワード首相は最大級の賛辞を送った。両人の関係からすれば必ずしも外交辞令ではないだろう。それほど、小泉・ハワード両政権下の日豪は幸福な関係をエンジョイしてきた。 このところ、日本は豪州に救われる局面が相次いだ。イラク・サマワの自衛隊撤退で豪州軍は自衛隊の穴を埋める追加部隊を派遣した。ハワード首相の「小泉を助けたい」という個人的な決断だった。撤退後の治安の乱れを恐れる日本にとって極めてありがたい対応だった。

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