アフガニスタンで五十三人の死者を出したカナダ軍。いま「小さな苦悩」が「深刻な苦悩」に拡大しつつある。 カナダの外交・安全保障政策が激しく動揺している。震源地はアフガニスタンだ。「血のイースター」 四月九日、カナダの朝刊各紙には悲劇的な見出しが躍った。 カンダハル州西部で八日、走行中のカナダ軍の装甲車両の車列が路上に仕掛けられた「路肩爆弾」の攻撃を受けた。兵士六人死亡、二人重傷。二〇〇二年以来、北大西洋条約機構(NATO)の一員としてアフガンに展開するカナダ軍にとって、単独の事案としては最も深刻な犠牲となった。

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