「新国立」は大成? 「談合復活」まで囁かれるゼネコン最新事情

執筆者:安西巧 2015年10月1日
エリア: アジア

 9月18日、2020年東京五輪のメーン会場となる「新国立競技場」(東京・神宮外苑)の設計者・施工会社を決める公募型プロポーザル(技術提案を含む入札)の参加申請が締め切られた。施工会社では大手ゼネコン5社のうち、鹿島を除く4社が2組に分かれて名乗りを上げた。7月に白紙撤回された旧デザイン案に比べ、総工費が上限1550億円とほぼ半額に削られたうえ、工期も実質的に3年余りと短い。「リスクばかり多く、おいしい仕事とはいえない」とゼネコン関係者は口を揃えるが、国内建設市場は東日本大震災の復興需要を機に好転し、その後人手不足による「入札不調」(入札者ゼロや予定価格オーバーなどで落札者が決まらないこと)が頻発。ゼネコンは「つくってやる」とばかりに立場を強め、業界の悪しき慣習である「談合」まで復活の兆しがある。

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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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