強烈なリーダーシップでイスラム過激派掃討作戦を推し進め、国民の人気を集めた上に諸外国からも信頼されていたパキスタンのラヒール・シャリフ陸軍参謀長(59)が1月下旬、大方の予想を裏切って任期延長を拒否し、予定通り今年11月29日の任期満了をもって退役する、と表明した。シャリフ参謀長は、対テロ作戦だけではなく欧米やロシア、中東諸国などを相次ぎ訪問して外交でも大きな成果を上げるなど、一軍人の枠を超えた存在感を放っていた。文民政権のナワーズ・シャリフ首相らは早くから参謀長「続投」の方針を示唆するなど、任期延長は既定路線とみられていただけに、その影響は小さくない。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン