「マイナス金利」で崩壊が始まった「国債市場」の危険度

執筆者:鷲尾香一 2016年3月15日
タグ: 日銀 日本
エリア: アジア

 国債市場が崩壊している。

 黒田東彦・日本銀行総裁による“異次元緩和”の究極政策「マイナス金利」導入により、新発国債の入札において、入札利回りがマイナス金利に突入するなど、国債市場は本来持っている機能を失い始めた。

 

銀行「モラルハザード」の温床

 3月1日、10年利付国債(342回債)の入札が行われた。この国債の表面利率は年0.1%だが、入札結果は入札最高利回りが-0.015%、入札平均利回りが-0.024%となり、10年国債入札で初めてのマイナス金利入札となった。これは、100円で発行される10年国債を平均で101円25銭、最低で101円16銭で買い入れたことになる。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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