「マイナス金利」で自らの首を絞める日銀「政策崩壊」の兆し

執筆者:鷲尾香一 2016年4月6日
タグ: 日銀 日本 マネー
エリア: アジア

 市場関係者にとっては、大きなショックだった。日本銀行は、3月28日に実施したCP(コマーシャルペーパー)など短期社債の買い入れオペレーション(以下、買いオペ)で、“応札レートの足切り”を行ったのだ。これは、行き過ぎたマイナス水準のCPなどは購入しないという日銀の意思を内外に示したものであり、事実上、日銀のマイナス金利政策には限界があることの表れでもあった。

 CPとは、企業が短期での資金調達のために発行する無担保の約束手形。通常は期間が1年未満で、金額は1億円以上となっている。日銀は量的緩和を行う上で、市場への資金供給手段として、従来からCPの買い入れも積極的に行っていた。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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