
ビクトリアパークで行われた天安門事件の追悼イベント(筆者撮影。以下同)
もともと香港社会は1989年6月4日の天安門事件をめぐり、2つに分断されていた。犠牲者を追悼し、共産党を批判し、中国の民主化を要求する人々と、そのことに積極的な関心を示さない人々である。政治勢力において、前者は民主派と呼ばれ、後者は親中派(建制派)と呼ばれる。しかし、いまは3つに割れている。なぜなら、いま香港では2014年の雨傘運動に参与し、「香港の独立」まで主張に含める若者を中心とする「本土派」に、天安門事件に対して、親中派とは全く別の思想から、あえて追悼する必要がないのではないかと疑う考え方が広がっているからだ。

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