「南スーダン」をめぐる難題(下)特異な形の「破綻国家」

執筆者:白戸圭一 2016年11月1日
エリア: アフリカ アジア
10月16日、南スーダン北部の町マラカルでトラックに乗り込む政府軍の兵士たち(C)AFP=時事

 1992年から1995年までアフリカのソマリアで展開されたPKO活動は、介入の失敗例の典型とされている。1991年にシアド・バーレ政権が崩壊し、国民が軍や警察から武器を奪い、ソマリアは完全な無政府状態となった。食糧不足と治安秩序の全面崩壊によって人道危機が深刻化したことで、大規模な国連PKOが2段階に分けて編成され、米軍がその中心となった。安保理は国際連合憲章第7章に基づき、武力行使を含む必要なあらゆる措置の実施権限を付与し、いわゆる平和の強制執行を開始した。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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