【月】中東通信、軍事、憲法改正、イスラーム国

先週末から今日にかけて、池内恵さんの「中東通信」に新エントリが続々です。

「中東地域政治の構造変動――アジ研セミナーの覚書(1)日々に受ける研究上の刺激を『つぶやく』試み」:「会場にはフォーサイトの安河内編集長も来てくれたのだが、そこで一つの提案を受けた。このセミナーでは、私はモデレーターとして、イラン、トルコ、サウジアラビアの専門家による講演を聴いた上で、会場から質問シートで集められた質問を集約して、コメントしつつ質問をしたのだが、その内容を中心に、「中東通信」に書いてみたらどうか、という提案である。」

「中東地域政治の構造変動――アジ研セミナーの覚書(2)三つの地域大国」:セミナーで取り上げられた大国はイラン・トルコ・サウジの3か国。エジプトは重要なアクターではなくなり、パレスチナ問題も後景に退いてます。《「パレスチナ問題」とはアラブ民族主義の主導権を争う諸国・諸勢力の駆使する道具であったことが、いよいよ露わになってしまったからである。》

「中東地域政治の構造変動――アジ研セミナーの覚書(3)最大の懸案はトルコの不透明感」:《シリア内戦やイラクの混乱、「イスラーム国」の出現と、それに対する掃討作戦の過程でのクルド勢力の台頭などは、結局それがシリアやイラクだけでなくトルコの内部に波及した時に、EUへの影響なども含め、重大な帰結を伴う。「本丸」としてのトルコへの関心が、聴衆の間に高まっている点が興味深かった。近年の中東地域政治の変動について報道や論評が積み重なる中で、聴衆の間にも中東の地域国際政治と地政学について、一定の「土地勘」が育ってきているのだろうか。》

「バグダーディーはモースルでの徹底抗戦とトルコ・サウジへの攻撃を扇動」:久しぶりに音声声明を出した「イスラム国」の指導者バグダ―ディー。一方、ボリス・ジョンソン英外相は、バグダーディーはモースルからすでに退去していると主張し、宣伝戦に対抗しています。

「シリアのクルド人勢力がラッカ制圧に先陣を切る」:「イスラム国」のシリアでの「首都」ラッカ制圧に乗り出したクルド人勢力。しかしその先には、ラッカで多数派のアラブ人の反発、アサド政権からの圧力など、「逆風」が吹く可能性が相当あります。

「紅海の出口、バーブル・マンデブ海峡の緊張についての論考」:紅海での不穏な動き。フォーサイト中東通信ではお伝えしましたが、『中東協力センターニュース』でもまとめてあります。

池内さんは今日、「専門家の部屋」の中東でも「リビア・スィルトの『イスラーム国』掃討作戦は未だ完了せず」の新エントリ。イラクのモースルやシリアのラッカで「イスラム国」掃討作戦が行われていますが根絶やしにするのは困難。なぜか? リビアの状況を見ると、よくわかります。

この他、先週末には冨澤暉さんの好評連載「軍事のコモンセンス(5)『平和安全保障法制』への評価と批判(上)」をアップしました。集団的自衛権を云々する前に、防衛出動が命令が出ていない状況下で自衛隊がどう行動すべきか――栗栖「超法規行動」発言は、いまだに尾を引いています。

そして今朝は、「専門家の部屋」の「憲法」に、「立ちはだかる『機関承認』『党議拘束』:まず『超党派合意形成』に向けた環境整備を」(楊井人文さん)の新エントリです。かつて、憲法改正草案が衆議院に提出されたことがありましたが、受理されませんでした。実は国会にある「不文律」が、受理を阻んでいたのでした。

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