
(c)AFP=時事
ナポレオン戦争は、膨大な戦費を必要とした。そして、イギリスとフランスの戦費調達方式は、対照的だった。この戦いは、両国の戦費調達方式の戦いでもあったのだ。
ナポレオンは、国債を発行することなく、新紙幣を発行することもなく、戦費を税で賄った。税といっても、占領地からの徴収だ。征服したオーストリアとプロシアから巨額の賠償金を徴収し、フランス国外での戦費に充てた。富田『国債の歴史』によれば、1799年から1814年の間に占領地区で獲得した正貨は、約8億フランに上った。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン