戦争とおカネは、切っても切れない関係にある。
おカネがなければ戦争はできない。これは当然のことだが、日露戦争のときはとくにそうだった。
司馬遼太郎『坂の上の雲』によると、あるとき、仙台の北の気仙沼で含金率が60%という金山が発見されたとのうわさが流れた。埋蔵量は40億円だという。首相の桂太郎は、眉唾だとは思いつつ、「満州の司令部に伝えてやれ」と命じた。
戦費があると思えば将兵の士気が上がる。戦費は大丈夫と前線に流すことによって、士卒の士気をあおろうとしたのだ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン