人気の若手講談師が本気で語る革命的芸道論
先日「笑点」の演芸コーナーに神田松之丞が登場した。わずかな時間の中で講談という芸を説明し、そのさわりを読みたて、大喜利へ笑いを繋いだ。途中くすぐりを入れたにもかかわらず収録会場は一瞬静まりかえる。演者の迫力に押されて、観客は息を飲んでしまったのだ。
神田松之丞は弱冠34歳の二ツ目にして、昨今もっともチケットが取れない芸人のひとりだ。
いまや人気絶頂の落語にくらべて講談は長らく息を潜めてきた。源平盛衰記などの堅苦しい軍記物を女流が読む、というイメージがすっかり定着してしまい、ラジオ時代の残滓のようなものになりつつあった。

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