
始皇帝が崩じた後の混乱を制し、「皇帝」に即位した漢の高祖劉邦
項羽との苦闘の末、勝利した漢王の劉邦が、紀元前202年、「皇帝」に即位した。そのため劉邦の「皇帝」は、歴史的制度的には、始皇帝よりもむしろ「義帝」の後継と考えたほうがよい。数ある「諸侯王」がすでに存在し、かつその推戴によって即いた位だからである。
劉邦の「皇帝」即位
劉邦は項羽から覇権を奪った。だからこの時点では、「覇王」の項羽がそうだったように、その覇権と「皇帝」の称号とは、必ずしも一致していない。劉邦も「漢王」のままだったし、本人もどうやらそのつもりだった。

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