唐の統合がやぶれると、東アジアは解体の一途をたどってゆく。東アジアも中国も、また華北・中原そのものが、かねてより多種族のるつぼであり、唐の「天下」統一がむなしく終わったのも、そんな多元性が高まってきたからである。
東アジアの解体
これを君主号という視座から見てみると、皇帝=天子は紀元前・漢の時代、漢人土俗の儒教と結合してできた概念にすぎない。いかにユニヴァーサルな存在だといっても、漢人にしか通用しない皇帝=「天子」では、胡漢・華夷から成る「天下」を治めきれなくなっていた。
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