独選「大人の必読マンガ」案内 (2)

「エスプリ」でしか描けない北朝鮮の「顔」:ギィ・ドゥリール『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』

ギィ・ドゥリール 檜垣嗣子訳『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』

 「人生は、クローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」

――チャップリン

 

 ギィ・ドゥリールの『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』は独裁国家・北朝鮮の日常の悲喜劇を活写するコミックルポルタージュの傑作だ。

 フランス語が公用語のカナダ・ケベック州出身の作者は、20歳ごろからアニメーターとしてカナダ、ドイツ、フランス、中国・深圳などを渡り歩き、現在は漫画家として活躍している。本作は、フランスの放送局から派遣され、2001年5月から2カ月間を平壌で過ごした体験をマンガ化したもの。原著が2003年、邦訳は2006年の刊行だ。

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執筆者プロフィール
高井浩章 1972年生まれ。経済記者・デスクとして20年超の経験があり、金融市場や国際ニュースなどお堅い分野が専門だが、実は自宅の本棚14本の約半分をマンガが占める。インプレス・ミシマ社の共同レーベル「しごとのわ」から出した経済青春小説『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』がヒット中。 noteの連載はこちら→https://note.mu/hirotakai ツイッターアカウントはこちら→https://twitter.com/hiro_takai
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