独選「大人の必読マンガ」案内
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「エスプリ」でしか描けない北朝鮮の「顔」:ギィ・ドゥリール『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』
ギィ・ドゥリール 檜垣嗣子訳『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』
「人生は、クローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」
――チャップリン
ギィ・ドゥリールの『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』は独裁国家・北朝鮮の日常の悲喜劇を活写するコミックルポルタージュの傑作だ。
フランス語が公用語のカナダ・ケベック州出身の作者は、20歳ごろからアニメーターとしてカナダ、ドイツ、フランス、中国・深圳などを渡り歩き、現在は漫画家として活躍している。本作は、フランスの放送局から派遣され、2001年5月から2カ月間を平壌で過ごした体験をマンガ化したもの。原著が2003年、邦訳は2006年の刊行だ。

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