「ポンペオ訪朝中止」の裏事情(下)遠のいた9月「ビッグディール」

8月24日、ホワイトハウスのスカビーノ・ソーシャルメディア担当局長が自らのツイッターで公開した、オーバルルームの様子

 

 ドナルド・トランプ米大統領によるマイク・ポンペオ米国務長官訪朝中止決定に関連して、ホワイトハウスが興味深い写真を公表した。ホワイトハウスのダン・スカビーノ・ソーシャルメディア担当局長は8月24日夜、ホワイトハウスで行われた訪朝中止に関連した会議の4枚の写真をツイッターで公表した(冒頭の写真)。

ホワイトハウスの写真

 ホワイトハウスのオーバルルームでは、トランプ大統領が机に着き、その前にトランプ政権で北朝鮮政策に深く関与している5人の幹部が椅子に座っていた。写真の左から米中央情報局(CIA)コリア・ミッションセンターのアンドリュー・キム・センター長、新たに北朝鮮担当特別代表に起用された米自動車大手フォード・モーター副社長のスティーブン・ビーガン氏、ポンペオ国務長官、ソン・キム駐フィリピン米大使、マイク・ペンス副大統領だ。ソン・キム大使までが呼び出されたところを見ると、トランプ大統領が緊急招集した北朝鮮問題の協議と見られた。ここにはいないが、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官もスピーカーで会議に参加したという。米国の北朝鮮政策がトランプ大統領と6人の側近によって決定されていることを示す写真だ。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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