岩瀬昇のエネルギー通信 (99)

対シリア「イラン原油」闇取引で激化する米露のつばぜり合い

トランプ政権が「イラン核合意」からの離脱を発表した直後、英『BBC』が報じた大口輸入国リスト(『BBC』HPより)

 

 2018年11月21日、日系メディアは「米国政府は、イラン原油のシリア供給に関与したロシア企業に、新たな制裁を課した」というニュースを報じた。

 たとえば『日本経済新聞』は「米、ロシア企業等に制裁 アサド政権支援で」(6:01)と題して伝えており、追うように『NHK News Web』も「米 ロシア企業に制裁 “イラン産原油をシリアへ供給“」(11:19)とのタイトルで報じていた。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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