「嫌米」だが「親中」ではない「ドゥテルテ比大統領」の戦略

11月20日、フィリピン・マニラを訪れてにこやかに手を振る習近平国家主席(右)と、対照的なドゥテルテ比大統領(左)(C)AFP=時事
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は11月20、21の両日、首都マニラに中国の習近平国家主席を招き入れ、首脳会談では南シナ海における石油・天然ガスの共同開発や、鉄道などフィリピンのインフラ整備、中国の広域経済圏構想「一帯一路」で協力することで合意した。
2016年6月の就任から約2年半が経過したドゥテルテ大統領は、南シナ海の領有権問題を「封印」「棚上げ」し、経済、外交、安全保障の軸足を、長年の同盟国である米国から中国に移す「ピボット(旋回)戦略」を、いっそう強く推し進めている。ドゥテルテ大統領の真意と狙い、フィリピンの事情を探ってみたい。

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