「防御」から「攻勢」に転換した「新防衛大綱」の問題点

執筆者:林吉永 2019年1月9日
エリア: アジア
護衛艦「いずも」が事実上、海自初の「空母」となるが……(海上自衛隊HPより)

 

 2018年12月18日発表の「防衛大綱(以下「大綱」)・防衛力整備」の対象は、自衛隊の「行動任務」である。

 その任務は、自衛隊法第6章に、「防衛出動」、「防衛出動下令前における武力攻撃、存立危機事態における米軍への便宜供与」、「武力攻撃事態における国民保護」、「治安出動」、「海上保安庁の統制」、「都道府県知事の要請による治安出動」、「自衛隊施設および、日米地位協定に定められた米軍の施設への破壊殺傷行為に対する警護出動」、「海上の警備行動」、「海賊対処行動」、「弾道ミサイル等に対する破壊措置」、「災害派遣/同地震/同原子力災害」、「領空侵犯に対する措置」、「機雷等の除去」、「在外邦人等の保護」、「重要影響事態等におけるPKOおよび米/豪軍への物品供与など後方支援、捜索救助、船舶検査」など、22項が規定されている。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
林吉永(はやしよしなが) はやし・よしなが NPO国際地政学研究所理事、軍事史学者。1942年神奈川県生れ。65年防衛大卒、米国空軍大学留学、航空幕僚監部総務課長などを経て、航空自衛隊北部航空警戒管制団司令、第7航空団司令、幹部候補生学校長を歴任、退官後2007年まで防衛研究所戦史部長。日本戦略研究フォーラム常務理事を経て、2011年9月国際地政学研究所を発起設立。政府調査業務の執筆編集、シンポジウムの企画運営、海外研究所との協同セミナーの企画運営などを行っている。
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