
若き日の藤原義江。撮影年不詳だが、撮影者は第2次世界大戦時、米日系人収容所で隠し持っていたレンズでカメラを作り、密かに収容所で暮らす日系人を撮影していたことで知られる写真家の宮武東洋(下関市「藤原義江記念館」提供、以下同)
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義江(戸山英二郎)は、3歳年上で声楽の師でもある浅草オペラのプリマドンナ安藤文子と付き合っている。
すでに文子の渋谷の実家で暮らし、文子の250円という破格の出演料で生活しているのだ。当時の小学校教員の初任給は50円。義江もある程度の出演料はもらっているが、その4分の1だ。

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