
若き日の藤原義江。撮影年不詳だが、撮影者は第2次世界大戦時、米日系人収容所で隠し持っていたレンズでカメラを作り、密かに収容所で暮らす日系人を撮影していたことで知られる写真家の宮武東洋(下関市「藤原義江記念館」提供、以下同)
翌朝、陽が昇るとあきの眼はニースの海に釘付けとなる。ナポリの碧い海よりもっと明るい碧さの海なのだ。
朝食後、義江と散歩に出かけると、洗練された海岸通りが別天地のようだった。
「まあ、いいわね」
太陽と海に顔を向け、なんども同じ言葉が出る。

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