「人手不足」と外国人 (38)

「文科省」「入管」「自治体」「学校」ブータン留学生を食い物にする「日本」の罪(下)

執筆者:出井康博 2019年9月5日
タグ: 人手不足 日本
エリア: アジア
在留期限が失効し、穴の開けられたダワ君の在留カード(筆者提供、以下同)
 

 ブータン人留学生のダワ君(仮名・20代)が2019年4月に入学した上野法科ビジネス専門学校——―。千葉市にあって、上野法律学園という歴とした学校法人が運営している。

 この専門学校は、在籍する学生の大多数が留学生であると見られる。もちろん、留学生の受け入れ自体には何も問題はない。しかし同校には、出稼ぎ目的で多額の借金を背負い来日した“偽装留学生”の受け入れで成り立っている疑いがある。授業を理解するに十分な日本語能力もない留学生が多数入学している可能性が高いのだ。ダワ君にも経費支弁能力はなく、日本語も授業についていけるレベルではない。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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