岩瀬昇のエネルギー通信 (179)

サウジ大臣は「回復」と言う原油施設の「本当の被害程度」

執筆者:岩瀬昇 2019年9月18日
エリア: 北米 中東 アジア
アブドラアジーズ大臣の会見を報じる現地メディア
 

 英経済紙『The Economist』は、サウジアラビア(以下、サウジ)のアブカイク原油処理施設とクライス油田がドローン攻撃を受けた翌9月15日、「Drone attacks cut Saudi Arabia’s oil output by half」と題する記事の中で、サウジの国営石油会社「サウジアラムコ」(以下、アラムコ)は「48時間以内に被害の程度について最新情報を出す」と語った。

「48時間以内」ではなかったが、現地時間9月17日(火)夕刻、サウジの新エネルギー相であるアブドラアジズ・ビン・サルマーン王子が記者会見を行い、「すでに失われた生産能力の半分は回復し、9月末までには完全に復旧する」と語った。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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