念願かなって米国から久々の大型武器供与を受けた台湾。しかし、米国は「昔の米国」ではなくなっていた……。[台北発]「グッドニュースが近いぞ」 台湾の袁健生・駐米代表(駐米大使)は九月下旬、首都ワシントンDCのある昼食会でゲイツ米国防長官からそう耳打ちを受けた。 在ワシントン歴が二十年に及ぶという袁氏は外交官出身だが、本質は手練れのロビイスト。国民党が政権から離れた時期も、ホワイトハウスの隣にあるビルに「国民党駐米代表」という肩書で豪華なオフィスを構え、米国の議会を中心とする台湾人脈を培ってきた。袁氏は米国の武器供与への馬英九政権の期待を背に着任早々から激しく働きかけていた。その成果が上がった瞬間だった。

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