医療崩壊 (28)

続・医師が目指すべき「自立」した「プロフェッショナル」:キャリアもスキルも磨く「兼業」のススメ

執筆者:上昌広 2019年10月4日
エリア: アジア
本物の「プロフェッショナル」として活躍する左から坪倉正治医師、嶋田裕記医師(南相馬市立総合病院にて、筆者提供)
 

 前回、「プロフェッショナル」としての医師の在り方を解説した(2019年9月9日『医師が目指すべき「自立」した「プロフェッショナル」』)。

 今回は、「プロフェッショナル」となるための、医療現場での試行錯誤をご紹介しよう。

 まずは、「プロフェッショナル」のおさらいだ。前回の繰り返しになるが、私が重視する「プロフェッショナル」の要件は、顧客(医師の場合は患者)の利益を最大限に優先すること、顧客から報酬を受け取ること(医療の場合、健康保険が患者の代理人)、そして自己規律を持つことだ。要は組織のためではなく、顧客のために働くことだ。

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執筆者プロフィール
上昌広(かみまさひろ) 特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長。 1968年生まれ、兵庫県出身。東京大学医学部医学科を卒業し、同大学大学院医学系研究科修了。東京都立駒込病院血液内科医員、虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員として造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事し、2016年3月まで東京大学医科学研究所特任教授を務める。内科医(専門は血液・腫瘍内科学)。2005年10月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究している。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」の編集長も務め、積極的な情報発信を行っている。『復興は現場から動き出す 』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言 』(蕗書房 )、『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(光文社新書)、『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社+α新書)、『病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日 』(朝日新聞出版)など著書多数。
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