MRIC通信 (28)

実は「危険」も多い「ジェネリック医薬品」品質問題

執筆者:谷本哲也 2019年11月19日
「GIJC」で講演した筆者(左)とワセダクロニクル記者の斎藤林昌氏(「UPLAN」三輪祐児氏提供)
 

 もし「毎日のむ薬に、発がん性物質が含まれていた!」と聞いたらどうするだろう。

「微量なので健康にただちに影響することはない」と言われたところで納得できるだろうか。

 厚生労働大臣の承認を得て製造販売されている薬に、発がん性物質が見つかり回収されるという騒ぎが相次いで起こっている。高血圧治療薬「バルサルタン」の原材料に「N-ニトロソジメチルアミン」(NDMA)などの発がん性物質が含まれていることが判明し、2018年7月から2019年2月にかけて数社から自主回収が発表された。また、2019年9月にも胃薬の一種「ラニチジン」にNDMAが検出され、11社を巻き込む回収騒ぎになっている。

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執筆者プロフィール
谷本哲也(たにもとてつや) 1972年、石川県生まれ、鳥取県育ち。鳥取県立米子東高等学校卒。1997年、九州大学医学部卒。内科医。ナビタスクリニック、ときわ会常磐病院、社会福祉法人尚徳福祉会、霞クリニック、株式会社エムネス、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所。年間延べ1万人以上の診療に携わる他、「the New England Journal of Medicine(NEJM)」、「the Lancet」 とその関連誌、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」 とその関連誌などでの発表に取り組んでいる。著書に『生涯論文! 忙しい臨床医でもできる英語論文アクセプトまでの道のり』(金芳堂、2019年4月)、『知ってはいけない薬のカラクリ』(小学館、2019年4月)がある。
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