新・マネーの魔術史:未来篇 (23)

複雑なアメリカの決済システム

執筆者:野口悠紀雄 2020年2月27日
タグ: アメリカ
エリア: 北米
リブラ公式HPより

 

 アメリカには、FRBが運営する決済システムFedwireと、民間の組織であるTCHが運営する決済システムCHIPSがある。TCHは新システムRTPを導入した。FRBはFedNowを2024年に導入する。

FRBの決済システムFedwire

 アメリカのシステムは複雑だ。

 まず、FRB(連邦準備銀行)が運営するシステムとして、Fedwireがある。

 アメリカの金融機関は、属する地区のFRBの本支店に当座預金口座(Federal Reserve Account)を持っている。Fedwireは、その口座間の振替で決済を行う銀行間資金決済システムだ。これは、即時グロス決済(RTGS)システムだ。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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