「コロナ禍」の虚を衝く習近平「一帯一路」ラオスへの「進軍」

執筆者:樋泉克夫 2020年4月3日
エリア: アジア
2月20日に中国の王毅外相(左)と会談に臨んだラオスのブンニャン・ウォーラチット大統領(右)
(C) EPA=時事

 

 世界屈指の医学部を持つアメリカのジョンズ・ホプキンス大学に付属する「CSSE」(システム科学工学センター)が、アメリカCDC(疾病管理予防センター)やWHO(世界保健機関)の発表に基づいて、「新型コロナウイルス感染マップ」を公表している。

 各国・地域別の感染者・治癒者、それに死者の数が図表化されているだけであり、専門用語を多用したような小難しい解説などは一切ない。無機質極まりないと言えばそれまでだが、日本のメディアで常態化している煽情的で感情過多な報道では到底伝えることが出来そうにない、切実で悲劇的な被害状況を、文字通り“分秒刻み”で知ることが出来る。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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