難問関門乗り越えたEU「新型コロナ」経済対策

執筆者:広岡裕児 2020年4月16日
エリア: ヨーロッパ
3月26日に開かれた欧州首脳会議は異例のテレビ会議となったが、「新型コロナ」経済対策で物別れに終わった。左はミシェル欧州大統領 (C)AFP=時事
 

 4月7日午後4時、「ユーログループ」とよばれるユーロ圏財務相会合がはじまった。ブリュッセルの本部には集まらず、テレビ会議である。

 テーマはもちろん「新型コロナウイルス」に関する経済対策の資金調達だ。だが翌8日午前8時、16時間にわたる徹夜の協議は物別れに終わった。

 徹夜会議はよく行われるが、途中に何度もブレイクが入り、通常ならコーヒー片手に個別の話し合いで妥協の糸口もみつかる。今回も何度も何度も中断しては、1対1の話し合いが行われた。しかし、電話では勝手が違うようだ。

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執筆者プロフィール
広岡裕児(ひろおかゆうじ) 1954年、川崎市生まれ。大阪外国語大学フランス語科卒。パリ第三大学(ソルボンヌ・ヌーベル)留学後、フランス在住。フリージャーナリストおよびシンクタンクの一員として、パリ郊外の自治体プロジェクトをはじめ、さまざまな業務・研究報告・通訳・翻訳に携わる。代表作に『エコノミストには絶対分からないEU危機』(文藝春秋社)、『皇族』(中央公論新社)、『EU騒乱―テロと右傾化の次に来るもの―』(新潮選書)ほか。
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