灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(97)

執筆者:佐野美和 2020年4月19日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 若手運動員の男子がバスガイドが使うようなマイクロフォンを握りしめながら第一声をあげる。

「ただいまよりテレビでおなじみ藤原あき、藤原あきの演説会を始めたいと思います。応援弁士は経済企画庁長官、日本の富士山(藤さん)富士山(藤さん)藤山愛一郎です」

 参議院選挙の公示を前に、数寄屋橋交差点から全国遊説の幕が開いた。

「まずは野原のような人のいないところでやらせてよ」

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top