中国の新戦略「大湾区構想」が受けた「新型コロナ」の衝撃(中)

執筆者:加藤勇樹
執筆者:鈴木崇弘
2020年5月13日
エリア: アジア
広州市内のオフィス街。入室時に体温を測定する(写真提供:Find Asia、以下同)

 

 香港貿易発展局(HKTDC)によると、大湾区の経済規模は「1.6兆米ドル」であり、すでに東京湾区(東京湾を中心に構成された経済圏)の「1.8兆米ドル」と近接してきている。

 もっとも、東京湾区と大湾区では性格や体制が大きく異なっている。東京湾区は東京に本社機能が集中しているが、大湾区はハイテク産業の開発製造を中心にした広州や深圳、コンビナートや大量生産を基本とする恵州や佛山、レジャー産業に重きを置くマカオや珠海、金融やリーガルサービスの中心地である香港などのように、地域ごとに特色がある。

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執筆者プロフィール
加藤勇樹(かとうゆうき) 中国名は「余樹」。香港を拠点に日系企業向け人材・ビジネスコンサルティングを行う「FIND ASIA」華南地区責任者 、およびスタートアップを資金・ノウハウで短期支援する「Startup Salad(スタートアップ・サラダ)」日本市場オーガナイザー。2015年より「FIND ASIA」にて広州・深圳・香港で活動。2017年より現職。
執筆者プロフィール
鈴木崇弘(すずきたかひろ) 城西国際大学大学院研究科特任教授、早稲田大学総合研究機構総合政策科学研究所招聘研究員。専門は公共政策や社会システム。東京大学法学部卒。イーストウエスト・センター奨 学生としてハワイ大学等に留学。設立に関わり東京財団・研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、設立に関わり自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」 の理事・事務局長、中央大学大学院公共政策研究科客員教授、厚生労働省総合政策参与、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)事務局長付(情報統括)、城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科教授・研究科長、沖縄科学技術大学院大学客員研究員などを経て現職。PHP総研客員研究員等も務める。主な著書は『日本に「民主主義」を起業する』(第一書林)『シチズン・リテラシー』(教育出版)等。
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