岩瀬昇のエネルギー通信 (318)

イスラエル・UAE「石油パイプライン」で思い浮かぶ仇敵イランとの意外な「秘密契約」

執筆者:岩瀬昇 2020年10月23日
タグ: イスラエル
エリア: 中東
地図中の青いラインが、紅海と地中海を結ぶ石油パイプライン。「European Asia Pipeline Company」HPより
 
 

 筆者がロンドンでオイルトレーダーの仲間入りをした1980年代半ば、彼らは北西欧州(North West Europe=NWE)とアジアの原油市場の違いを次のように称していた。

「我々はキャデラックに乗っているが、君たちはトヨタで十分なんだよね」

 自動車産業の絵図が大きく変わってしまった現在では、理解しがたい比喩かもしれない。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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