新・マネーの魔術史:未来篇 (57)

「リブラ」がCBDCをプッシュしている

執筆者:野口悠紀雄 2020年10月29日
エリア: その他
リブラ公式HPより

 

 中央銀行デジタル通貨(CBDC)がどうなるかについて、国際決済銀行(BIS)のレポートは重要な意味を持っている。BISはもともとはCBDCについて積極的でなかったが、今年になってからは、積極的な姿勢を示すレポートが増えている。

 こうした変化をもたらしたのは、「デジタル人民元」であり、さらには、フェイスブックが提案した「リブラ」だった。

CBDCのゆくえに重要な意味を持つBISのレポート

 BISは、CBDCに関する調査レポートを10月9日に公開した(注1)

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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