医療崩壊
医療崩壊 (49)

ワクチン集団接種に臨む私たちが、必ず知っておくべき日本の「思考停止」 

執筆者:上昌広 2021年5月2日
エリア: その他
埼玉県のイオンモール春日部店に設営されたワクチン接種会場で、手続きなどを確認する係員。同所では5月3日から運用が始まる  (c)時事通信フォト
ワクチン接種を強力に進めたイギリス、アメリカで新規感染者増にブレーキがかかり、米ファイザーはすでにワクチンの生産過剰を抱えている。一方、日本は、このままでは冬場の本格的流行を抑えるべくもない。世界の状況が変わり始めたいま、日本政府に必要なのは「勝負の3週間」などという空疎なスローガンで悲壮感を演出することではなくーー 

   新型コロナウイルス(以下新型コロナ)の感染が拡大している。本稿では、国内外での新型コロナ流行の状況を分析し、ワクチン接種を巡る国際競争の現状をご紹介したい。 
まずは、流行の現状だ。4月22日、1日あたりの世界の新規感染者は88万人を超え、過去最高を更新した。 

   日本でも感染が拡大している。4月25日、政府は東京と関西3府県を対象に、緊急事態宣言を発令した。第3波での緊急事態宣言の解除(3月21日)から35日での再宣言に対し、「油断によるリバウンド」との指摘が多いが、私はそうは思わない。なぜなら、世界の多くの地域で同時に感染が拡大しているからだ。世界中が一斉に油断したとは考えにくい。 

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執筆者プロフィール
上昌広 特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長。 1968年生まれ、兵庫県出身。東京大学医学部医学科を卒業し、同大学大学院医学系研究科修了。東京都立駒込病院血液内科医員、虎の門病院血液科医員、国立がんセンター中央病院薬物療法部医員として造血器悪性腫瘍の臨床研究に従事し、2016年3月まで東京大学医科学研究所特任教授を務める。内科医(専門は血液・腫瘍内科学)。2005年10月より東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステムを主宰し、医療ガバナンスを研究している。医療関係者など約5万人が購読するメールマガジン「MRIC(医療ガバナンス学会)」の編集長も務め、積極的な情報発信を行っている。『復興は現場から動き出す 』(東洋経済新報社)、『日本の医療 崩壊を招いた構造と再生への提言 』(蕗書房 )、『日本の医療格差は9倍 医師不足の真実』(光文社新書)、『医療詐欺 「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい』(講談社+α新書)、『病院は東京から破綻する 医師が「ゼロ」になる日 』(朝日新聞出版)など著書多数。
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