“15年前後で「社会主義強国」を建設”という金正恩の「見果てぬ夢」(3)兵役短縮で経済投入へ

執筆者:平井久志 2021年5月27日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第1回拡大会議での金正恩党総書記(『労働新聞』HPより、以下同)
北朝鮮の大黒柱ともいえる朝鮮人民軍の扱いにも変化が。綱紀粛正、世代交代、そして兵役期間短縮――その意図は?

 北朝鮮メディアは2月25日、朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第1回拡大会議が同24日、金正恩(キム・ジョンウン)党総書記の指導の下で、党本部で開かれたと報じた。

「軍の規律確立」要求

 党中央軍事委員会が開催されるのは昨年9月以来約5カ月半ぶりで、第8回党大会開催後では初めてだった。第8回党大会で改選された党中央軍事委の新メンバーによる、最初の会議であった。

 会議では「人民軍指揮メンバーの軍事・政治活動と道徳生活において提起される一連の欠点」が指摘され、「人民軍内に革命的な道徳規律を確立するための問題」が討議された。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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